
株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FX取引には、「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」「長期トレード」の4つの手法があります。
FX初心者の方には「スキャルピング」がオススメ、という話を聞いたことはありませんか?
そもそも「スキャルピング」とはどのような取引方法なのでしょうか?
初心者がスキャルピングを利用して利益を得るためのコツはあるのでしょうか?
スキャルピングってどんな取引方法?
スキャルピングは、数秒・数分の間隔での取引を複数回繰り返して利益を積み重ねる方法です。
数秒。数分間の取引のため、一回一回の利益は小さくなりますが、取引時間が短いことで価値が上昇している時間を切り取って売買することが可能になり、利益を得る確率が高くなります。
スキャルピングをしている人の多くが1日で20回以上の取引をしていて、成功させるためには瞬時に売買の有無を判断する必要があるでしょう。
スキャルピングを利用するメリット
(1)損失の幅を限定することができる
短い期間での取引を繰り返しすることで、ポジションを所有している時間が短くなるため損失の額を小さくすることができます。
スキャルピングではポジションを次の日まで所有しておくことがないので、朝起きたら価値が急落して大きな損失を抱えてしまう、というリスクがありません。
(2)取引のチャンスが多い
スキャルピングは数秒から数分間での売買を実施するので、通勤中や休憩中などの空いた時間に取引をすることができます。
取引をしていない時間はポジションを所有していないので、価値の変動を気にする必要はありません。
FX取引に慣れると、デイトレードなどの取引と併せてスキャルピングによる取引をすることも可能です。
(3)レバレッジをかけることで利益が大きくなる
スキャルピングによる取引をする場合、レバレッジをかけることで、少額の資金で利益を大きくすることが可能です。
もちろん、損切りのルールを設定してリスクを回避する必要がありますが、高レバレッジをかけた取引を複数回繰り返し差益を積み重ねることで利益を大きくすることができます。
(4)取引の練習ができる
FX初心者の方がスキャルピングによる取引をする大きなメリットとして、取引回数が多いことで経験値を上げることができます。
スキャルピングのデメリット
スキャルピングにはメリットがありますが、デメリットもあります。
特にFX初心者の方は、メリットだけでなくデメリットがあることを理解しておくことがFXで失敗しないためにとても大切です。
(1)短時間での判断力が必要
スキャルピングは数秒~数分による取引を繰り返すことで利益を積み重ねるので、瞬間的に売買の判断をする必要があります。
あまり感情的にならずに、事前に設定した自分の売買ルールに沿って取引をしなければ、ポジションを手放すタイミングを失ってしまい結果として損をしてしまいます。
(2)集中力も必要
スキャルピングでは短期間で複数回の取引をするため、取引をしている時間は集中力が必要になります。
もちろん、空いた時間を活用して取引をすることもできますが、きちんと集中していなければ取引を成功させることは難しいでしょう。
(3)取引回数が増えてスプレッドも増加
FX取引によってポジションを売買した場合の「売値と買値の差」のことをスプレッドと言います。
FX取引を開始する際にはFX会社を利用することになり、売買をした際にはFX会社にスプレッドコストを支払う必要があります。
スキャルピングは1日の取引回数が多いため、その分スプレッドが積み重なりFX会社に支払う金額が大きくなってしまうでしょう。
また、スキャルピングでは1回1回の取引による利幅が1~10pips程度なので、取引によって得た利益よりもスプレッドコストの方が高額になってしまい、最終的に損をしてしまう可能性もあります。
(4)大きな損失を被る可能性
FX取引の全ての手法に共通することですが、損切りルールを守れなかった場合の損失が大きくなってしまいます。
スキャルピングでレバレッジをかけた取引をしている時に損切りが出来ない場合、損失も大きくなってしまうでしょう。
FX初心者がスキャルピングを成功させるための8つのコツ
スキャルピングによる取引にはメリットとデメリットがありますが、いくつかのコツを抑えておくことで、初心者であっても利益を出すことが可能です。
(1)取引の金額に注意
スキャルピングは小さな利益を得る取引を繰り返す方法です。
ポジションは数秒から数分しか所有していないため、取引金額があまりにも少ないと、利益を得ることができません。
金額をある程度大きくすることで利益を大きくすることができますが、自分の資金と相談して金額を設定しましょう。
また、FX取引ではレバレッジをかけることで少ない資金でも大きな取引をすることも可能です。
しかし、あまりにも高いレバレッジをかけた取引をしてしまうと、取引に成功した場合は十分な利益を得ることができますが、取引に失敗した場合には損失が大きくなってしまうので注意が必要です。
特に初心者の方はなるべく自分の資金の中から取引を開始するようにしましょう。
慣れてきたら少しずつレバレッジをかける、という方法がオススメです。
(2)スキャルピングに向いている通貨ペアを選択する
初心者の方であればとくに、取引の際に「もしかしたらもっと価値があがるかも」という風に考えてしまうことで、なかなか取引に踏み切れず、結果として損をしてしまう傾向があります。
相場は常時変動しているため、スキャルピングでは瞬時に売買時期を判断して実行する必要がありますが、変動が激しい通貨ペアを選択している場合、一番良い取引時期を逃してしまうことで損失が大きくなる可能性が高くなってしまいます。
初心者の方がスキャルピングで失敗しないためには、できるだけ変動が少ない通貨ペアを選択するようにしましょう。
変動がすくない通貨ペアを選択して取引をすることで、万が一売買時期を逃してしまっても、損失を小さくすることができます。
オススメの通貨ペアは米ドル/円で、まずは1つの通貨ペアだけを選択して集中して取引をするようにしましょう。
(3)1分足~15分足のチャートを見る
数秒~数分での取引を繰り返し行うスキャルピングでは15分足の取引から開始して、慣れてきたらだんだん取引時間を短くして1分足のチャートに切り替えましょう。
まずは15分足のチャートによる取引をすることで、スキャルピングの取引に慣れてください。
(4)損切りルールはきちんと守る
取引を開始する前に作成した自分の損切りルールをきちんと守って取引するようにしましょう。
FX初心者の方の場合、損切りルールを設定してもなかなか守れずポジションを手放すことができない人がいます。
しかし、スキャルピングでは「いつか価値が上昇するかも」というように待っている時間はありません。
また、価値が上昇するかもしれない、という期待をもってポジションを所有していても、結果として損失が大きくなってしまうケースもあるので注意してください。
損切りルールにのっとって、感情的にならずに淡々と取引をするようにしましょう。
(5)取引の時間帯
スキャルピングだけでなく、FX取引のすべての手法に共通していることですが、FX取引を実施する時間帯はとても重要です。
特にスキャルピングでは超短期的な取引を繰り返すことで利益を得るので、市場の動きが活発な時間帯に取引をすることでより利益を得やすくなるでしょう。
FXの取引にオススメの時間帯は
◎欧州市場 16:00~22:00
◎NY市場 21:00~6:00
の時間帯です。
市場の動きが大きくなるので、利益を得やすい時間帯を狙ってスキャルピングを開始してみましょう。
(6)通信環境の確認はしっかりと
スキャルピングは短い時間で取引を終了させます。
長期間所有することを前提としていないポジションを所有したまま、ネット環境が悪くなってしまい取引ができない、ということになってしまうと、大きな損失を被る可能性があります。
取引の前にネット環境がしっかりと整備されているかどうかを確認しておくようにしましょう。
(7)スキャルピングができないFX会社もある
短時間で複数回の取引を実行するスキャルピングを禁止しているFX会社もあります。
FXを開始する際には事前にスキャルピングができる会社なのかどうかを確認しておきましょう。
(8)スプレッドが狭いFX会社を選択する
ポジションの売買をした際の差額でもあるスプレッドコストは取引をするごとに発生します。
スプレッドコストはFX会社に支払う取引手数料のようなもので、その金額もFX会社によって異なります。
スキャルピングでは1日の取引回数が多くなるので、その分スプレッドコストも高くなってしまいますよね。
FX会社によってスプレッド幅は全く違うので、損をしてしまわないようにできるだけスプレッド幅が狭いFX会社を選択するようにしましょう。
まとめ
今回はFX初心者の方がスキャルピングを利用して利益を得るためのコツをご紹介しました。
スキャルピングに限らず、FX取引を成功させるためには充分な知識を付けておくことと、リスクをできるだけ回避しておくことが大切です。