株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXは、世界中の市場が重なり合いながら開場と閉場を繰り返しているため、土日を除いて24時間取引することが可能です。
しかし、世界の国々の中には、夏と冬で夏時間と冬時間を使い分ける国もあるため、日本もFXのトレードでは夏時間と冬時間が採用されています。
夏時間と冬時間は、何が異なるのでしょうか?
そこで今回は、夏時間と冬時間の違いと冬時間における注意点について解説します。
Contents
FXの冬時間とは何のこと?
「サマータイム」という言葉を見聞きしたことがある人も多いと思います。
日本では一部の企業でサマータイムが導入されていますが、国で導入されている制度ではないため、あまり馴染みがない人も多いのではないでしょうか?
サマータイムとは、夏時間のことで、夏と冬は日照時間に違いがあり、早く明るくなる夏は早めに仕事に取りかかって明るい時間帯に帰宅することで、無駄な照明を減らせます。
また、明るい時間帯に帰宅することで、余暇の充実を図ることができます。
このように日照時間の違いをうまく利用して活動時間を変化させることが、経済の活性化にもつながると考えられており、導入している国も増えています。
では、具体的に夏時間と冬時間はどのように異なっているのでしょうか?
夏時間とは
夏時間とは、先ほども触れたように、日照時間が長くなる夏に活動開始時間を早めることで省エネや余暇の充実、経済の活性化を図ることを目的としています。
時間をずらすと言っても、ずらす時間は国ごとに異なるわけではありません。
ずらす時間は1時間と決まっており、各国であらかじめ定められている日を基準に夏時間と冬時間が切り替わります。
FXの世界では、夏時間に切り替わったからと言って、取引時間が短くなるといったことは生じません。
24時間取引できることに変わりはありませんが、夏時間と冬時間で異なる部分があるため、それらを踏まえた上で取引に臨むことが重要です。
冬時間とは
冬時間とは、夏時間から従来の時間に戻した時間を指します。
冬が近づくと、少しずつ日照時間が短くなるため、それに合わせて元通りの時間に戻します。
こちらも夏時間と同様、ずらす時間は全世界共通です。
夏時間で早めた1時間を各国であらかじめ定められている日を基準に元に戻すだけです。
夏時間と同様、取引時間が短くなることはないため、特に気にする必要はないと言えますが、一部異なる部分もあるのでその違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
冬時間に切り替わることによる注意点
夏時間や冬時間に切り替わって、しばらく経過した後にトレードする分には特に気にする必要はありませんが、夏時間から冬時間に切り替わる瞬間は注意が必要です。
冬時間に切り替わることによる注意点として以下の4つが挙げられます。
- 経済指標の発表時間が変わる
- 北半球と南半球で異なる
- 国によって切り替わる時期が異なる
- クローズの時間帯が異なる
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
経済指標の発表時間が変わる
ファンダメンタルズ分析を駆使しながらトレードしている人や、一時的な大きな為替変動を狙ったスキャルピングを得意としている人にとって重要なのが経済指標です。
経済指標は、国の経済状況がどのような状況なのかを知るための指標で、為替変動に与える影響が大きいことから、多くのトレーダーが注目しています。
夏時間が適用されている状況で日本の21時30分に発表されていた経済指標は、冬時間に切り替わると1時間遅れるので22時30分に発表されることになります。
いつもの感覚で「21時30分に経済指標が発表される」とチャートを凝視していても、何も起こりません。
「今日は相場が静かだな」と冬時間に変わったことに気づかずにポジションを持ったまま寝てしまった場合、経済指標の発表の影響を受けて大きな損失を抱える可能性があるので注意が必要です。
北半球と南半球で異なる
日本が夏の時は他の国では夏時間が採用されている、冬の時は冬時間が採用されていると考えている人がいるかもしれませんが、その考え方は一部間違っています。
日本と同じ北半球の国々は同じ夏を迎えているため、確かに夏時間が採用されていますが、南半球の国々は冬を迎えているため、夏時間ではなく冬時間が採用されています。
そのため、夏時間と冬時間について考える際には、日本の季節を基準に考えるのではなく、北半球に位置する国なのか、南半球に位置する国なのか考えなければなりません。
また、オーストラリアやニュージーラントといった北半球ではなく南半球に位置する国の通貨をトレードする場合、採用されている時間が反対になるという点に注意しながらトレードしましょう。
国によって切り替わる時期が異なる
北半球と南半球は季節が逆であるため、北半球が夏時間であれば南半球は冬時間、北半球が冬時間であれば南半球は夏時間といった違いがありました。
では、北半球の全ての国々が同じ日に冬時間に切り替わるのかと言えば、そういうわけではありません。
国によって冬時間に切り替わる日は異なるので注意が必要です。
例えば、アメリカの夏時間は3月の第2日曜日~11月の第1日曜日、イギリスでは3月の最終日曜日~10月の最終日曜日までで、それら以外は冬時間となっています。
オーストラリアの夏時間は10月の第1日曜日~4月の第1日曜日、ニュージーランドでは9月の最終日曜日~4月の第1土曜日までで、それら以外は冬時間となっています。
このように北半球と南半球で異なるだけでなく、国によっても冬時間が開始になる時期は異なるため、自分の通貨ペアに関係ある国の冬時間がいつから始まるのかしっかりと確認しておきましょう。
クローズの時間帯が異なる
夏時間から冬時間に切り替わったとしても、土日を除いて24時間取引できることに変わりありません。
しかし、夏時間と冬時間では、FX業者の1日のサイクルが変わるので注意が必要です。
例えば、DMM FXの夏時間は、月曜日は7時~翌5時59分、火曜日~木曜日は6時~翌5時59分、金曜日は6時~5時50分までとなっています。
つまり、DMM FXを利用している場合には、夏時間であればスワップポイントが6時に付与されるという点に注意が必要です。
冬時間の場合には、月曜日は7時~翌6時59分、火曜日~木曜日は7時~翌6時59分、金曜日は7時~6時50分までとなっています。
つまり、冬時間であればスワップポイントが7時に付与されることになります。
このようにクローズの時間帯が異なるため、スワップポイントが目的で取引する人やデイトレードの人は、クローズの時間帯を確認してから取引しましょう。
まとめ
FX業者も世界の基準に合わせて夏時間と冬時間を切り替えていますが、24時間取引できる環境であることは変わりません。
しかし、経済指標が発表される時間帯が異なる、北半球と南半球で夏時間と冬時間が異なるという点に注意が必要です。
また、同じ北半球や南半球でも各国で夏時間や冬時間が始まる時期が異なります。
そのため、FXのトレードを行う際は、自分の取引する通貨ペアに関連する国の夏時間、冬時間がいつ切り替わるのかを事前に確認しておきましょう。