FXのレバレッジ400倍はどう計算する？取引する際の注意点

この記事の監修

株式会社インベストメントカレッジ　
吉田健吾

累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。

日本のFX業者は金融庁の許可が必要であるため、レバレッジ上限が25倍に規制されています。

しかし、海外のFX業者は金融庁の許可を受ける必要がないため、レバレッジ上限は適用されません。

そのため、海外のFX業者を使ってレバレッジ400倍の取引を始めたいと考えている人もいると思いますが、レバレッジ400倍の取引において必要な証拠金や期待できる利益はどのように計算すればいいのでしょうか？

そこで今回は、FXのレバレッジ400倍の取引において必要な証拠金や期待できる利益の計算方法を分かりやすく解説します。

FXのレバレッジ400倍はどう計算する？

日本のFX業者で取引している人の中には「レバレッジは最大25倍までなのでは？」と疑問を抱いている人もいると思います。

確かに、日本のFX業者は金融庁の許可を受けなくてはならないため、金融庁が定めるレバレッジ上限の25倍が適用されています。

しかし、海外のFX業者は金融庁の許可を受ける必要がありません。

そのため、レバレッジ100倍以上のFX業者が数多く存在しています。

高いレバレッジを選択すれば取引に必要な証拠金を少なく抑えられるため、少額からFXの取引を始めることが可能です。

また、得られる利益も大きくなるため、より効率良く資産を増やすことが期待できます。

では、実際にレバレッジ400倍の取引を行う際には、どのくらいの利益が期待できて、必要な証拠金はいくらなのでしょうか？

それぞれについて計算してみましょう。

レバレッジ400倍で期待できる利益とは

比較的価格変動が緩やかな米ドル／円を想定すると、1日に1％以上の変動が生じることはほとんどありません。

仮に1ドル100円で1万通貨の買いポジションを所有していた場合、100.2円に上昇すれば2,000円の利益を得ることになります。

仮にこの状況がレバレッジ1倍だったとすると、400倍の利益になるので計算上80万円の利益を得ることに。

レバレッジ25倍で2,000円の利益だったとしても、レバレッジ400倍に変更すると利益が16倍になるため、計算上3万2,000円の利益が手に入ります。

FXで少しでも多くの利益を得たい人の場合は、レバレッジ25倍よりもレバレッジ400倍で取引した方が良いと言えるでしょう。

レバレッジ400倍で必要な証拠金とは

先ほどと同様、米ドル／円を想定して、仮に1ドル100円で1万通貨の買いポジションを所有するとします。

本来は計算上100万円の資金が必要ですが、レバレッジ25倍を選択すれば計算上4万円の資金で取引を始めることが可能です。

また、レバレッジ400倍を選択した場合は、計算上2,500円の資金で取引を始めることができます。

そのため、少しでも少額からFXを始めたいという人の場合は、レバレッジ25倍ではなくレバレッジ400倍で取引を始めた方が良いと言えるでしょう。

レバレッジ400倍で取引する際の注意点

レバレッジ400倍を選択すると、計算上より良い条件で取引できることが分かりましたが、日本のFX業者はレバレッジ400倍には対応していません。

そのため、レバレッジ400倍で取引する場合には、海外のFX業者で口座を開設する必要があります。

その際の注意点として以下の6つが挙げられます。

• ロスカットに注意
• スワップポイントに注意
• 信託保全に注意
• 日本語対応に注意
• スプレッドに注意
• ルール改正に注意

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

ロスカットに注意

FX業者には、急な為替変動が生じた際にトレーダーが証拠金以上の損失を抱えないための仕組みが採用されているのが一般的です。

その仕組みの1つがロスカットですが、ロスカットでは証拠金以上の損失が発生する前に強制決済を行います。

そうすることで証拠金以上の損失が発生することを防ぎますが、急な為替変動の場合には正常にロスカットが作動しない可能性があります。

実際にフラッシュクラッシュと呼ばれる急な為替変動が生じたケースでは、ロスカットが正常に作動せず、証拠金以上の損失が生じたトレーダーが多くいました。

レバレッジ400倍の取引では正常にロスカットが作動しなかった場合の損失が大きいため、十分に注意が必要です。

スワップポイントに注意

レバレッジを高く設定すれば、より多くのスワップポイントが得られると考えている人も多いと思いますが、スワップポイントは低く設定されているのが一般的です。

そのため、スワップポイントを目的とした取引を望んでいる場合には、レバレッジ400倍の取引よりも、国内のFX業者でレバレッジ25倍の条件で取引した方が計算上良い可能性が高いと言えます。

また、マイナスのスワップポイントが発生する場合には、レバレッジ400倍だとより多くのマイナスのスワップポイントが発生することになるので注意が必要です。

ポジションを保有することで、どの程度のマイナスのスワップポイントが発生するのかを事前に計算しておいた方が良いと言えるでしょう。

信託保全に注意

日本のFX業者は金融庁の指示で信託保全が義務化されています。

信託保全とは、FX業者の資産とトレーダーの証拠金が別に管理されていることです。

信託保全が実施されているFX業者では、FX業者が万が一破綻した場合でも、トレーダーの証拠金は別なので破綻の影響を受ける心配はありません。

しかし、海外のFX業者の場合、信託保全が義務化されていないため、FX業者が破綻するとトレーダーの証拠金も破綻の影響を受ける可能性があります。

海外のFX業者で口座を開設する際には、信託保全を行っている業者か事前に確認してから口座を開設しましょう。

日本語対応に注意

海外のFX業者で最も不便なのは、日本語に対応していない場合があることです。

サイトは日本語に対応していても、カスタマーセンターが日本語に対応していない場合があります。

カスタマーセンターが日本語に対応していないと、何らかのトラブルが発生した場合でも日本語のサポートが受けられないため、トラブルを解決できず泣き寝入りになる可能性も。

海外のFX業者で口座を開設する際には、サイトが日本語に対応しているのかだけでなく、カスタマーセンターも日本語に対応しているのか事前に確認しておきましょう。

スプレッドに注意

海外のFX業者は、日本のFX業者とは違い、スプレッドが広く設定されているのが一般的です。

スプレッドが広く設定されているということは、ポジションを保有した段階での含み損が大きいということを意味します。

つまり、利益を得ることが難しく、スプレッドの値によっては同値撤退も困難であるということです。

スプレッドは事実上のFX業者の手数料であるため、どのくらいの手数料がかかっているか計算し、それらを踏まえた上で利益を得られるかよく考えてから口座を開設しましょう。

ルール改正に注意

海外のFX業者で口座を開設して取引を始めても、特に問題はありません。

しかし、日本の金融庁からの指摘が入った、FX業者のルールが変更になったなどの理由で急に日本人だけ取引できなくなる可能性があるので注意が必要です。

「取引できないだけならば、他の海外FX業者の口座を開設して始めればいいのでは？」と思った人もいると思いますが、それだけではありません。

海外FX口座から「○月○日で口座を強制解約する」といった通知が来るため、それまでに決済しなければならないほか、出金要請を行う必要があります。

マイナスポジションの場合は損切り、出金要請が間に合わなければ出金できないといったトラブル巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

日本のFX業者は金融庁のルールに従う必要があるため、レバレッジの上限が25倍に設定されています。

一方、海外のFX業者にはそのようなルールが適用されないため、レバレッジ400倍で取引可能です。

レバレッジ400倍というのは、日本のレバレッジ25倍と比較すると、計算上利益が16倍、証拠金を16分の1に減らすことが可能です。

つまり、レバレッジ400倍であれば、計算上は少ない資金で効率良く利益を得られることを意味します。

しかし、レバレッジ400倍の取引はメリットだけでなくデメリットもあります。そのため、それらのデメリットもよく理解した上で口座を開設しましょう。