株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
資産運用に興味があって、FXについて色々調べていると「FXで億万長者になった」という記事を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
「プロのトレーダーみたいにうまく取引できなくても100万くらいなら簡単に稼げる」と思っている初心者もいるかもしれませんが、そう簡単にはいきません。
そこで今回は、FXの初心者でも儲けるためのコツについて解説します。
Contents
プロのトレーダーも負けている
FXの初心者が勘違いしてはいけないのは、プロのトレーダーが100%の勝率を誇っているわけではないということです。
「プロのトレーダーは億以上稼いでいるけど?」と思っている人も多いかもしれませんが、プロのトレーダーは「損小利大」という考え方を徹底していることによって、負けながらも利益を出しています。
損小利大とは、損失を最小限に抑えて利益を最大限に得るという方法です。
例えば、100回取引を行って10万の損失が60回、20万円の利益が40回だったとします。
勝率で見ると40%と半分を下回っていますが、損失の600万円に対して利益が800万円と通算では200万円のプラスとなっています。
逆に10万円の利益が60回、20万円の損失が40回だったとすると、勝率は60%と半分を上回っていても、通算では200万円のマイナスです。
高い勝率を維持しているということは、それだけ為替変動をしっかり先読みできているということです。
ポイント
高い勝率を誇っていても、肝心の利益が出ていなければ意味がないため、「損小利大」にこだわった取引を行うことが重要と言えるでしょう。
初心者がしっかりと儲けるためのコツ
FXの初心者がいきなり「損小利大」にこだわった取引を行うと聞いても、何をどうすればいいのか分かりません。
そこで登場するのが、FXの初心者でも簡単に実践できるしっかりと儲けるための3つのコツです。
具体的な3つのコツの内容は以下の通りです。
- 利益を確定する
- 損切を設定する
- 順張りで取引を行う
それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。
利益を確定する
FXの初心者が陥りやすいのは、「含み益」を「利益」と勘違いしてしまうことです。
含み益とは、まだ為替変動の影響を受ける状態にある見た目上の利益のことです。
いくら含み益があっても、急な為替変動によって予想していた相場の反対に変動が生じた場合には、あっという間に含み益が含み損に変わる可能性があります。
そのため、確実に利益を増やしていくには、この含み益の状態のままで長期間所有せずに、利益として確定させることが重要です。
「どのタイミングで利益を確定させればいいのか分からない」という人の場合には、FXでどのくらいの運用結果を求めているのかを算出してから取引に臨むことをおすすめします。
例えば、1ヶ月に10万円資産を増やしたいと考えている場合は、「1回の取引で10万円の利益を得よう」といったように1回の利益を求めすぎてはいけません。
仮に1ヶ月に20回取引を行うのであれば、1回の利益を6,000円に設定すれば想定利益が12万円となるため、マイナスが2万円生じても目標を達成することが可能です。
このように、計画を立てながら利益を確定していくことが、FXの初心者でも儲けるコツの1つと言えるでしょう。
損切を設定する
含み益と同様、まだ為替変動の影響を受ける状態にあるものとして「含み損」というものがあります。
含み損とは、まだ為替変動の影響を受ける状態にある見た目上の損失のことです。
含み損も確定しなければ損失にはならないため、FXの初心者の中には「そのうち反転するから大丈夫」と含み損のまま長期間所有しようとする人がいますが、それが大きな間違いと言えます。
なぜなら、損失が生じるということは、自身の為替変動の読みが外れたことを意味するため、反対のトレンドが継続する可能性が高いと言えます。
つまり、所有し続けた場合には、逆に損失が拡大する可能性が高い状況です。
そのような状況に陥らないようにするには、為替変動の読みが外れた場合は早期に損失を確定して撤退することが重要です。
FXの初心者は、最初のうちは損失を確定させる損切を行うことに抵抗があると思います。
そのため、損切しやすいようにするために、購入と同時に利益を確定する指値と損失を確定する逆指値を設定しておくことをおすすめします。
あらかじめ設定しておけば、被害が拡大する前に損失を最小限に食い止めることができるため、次のチャンスに向けて再スタートを切りやすくなるでしょう。
順張りで取引する
FXの取引方法は、大きく順張りと逆張りの2つに分類されます。
順張りとは、上昇相場に合わせて買い、下落相場に合わせて売りといったように、相場の流れに合わせて取引を行う方法です。
一方で、逆張りとは、上昇相場に逆らって売り、下落相場に逆らって買いといったように、相場の流れに逆らって取引を行う方法です。
逆張りは、為替相場の流れが切り替わるタイミングにピッタリと合わせることができれば、多くの利益が期待できます。
しかし、読みが外れて相場が継続した場合には、大きな損失を抱えてしまうリスクと隣り合わせです。
そのため、FXの初心者が取引を行う際には、リスクの高い逆張りよりも相場の流れに乗る順張りの方が、リスクを抑えながら確実に利益を積み重ねていくことができるでしょう。
順張りの際に使用するテクニカル分析
相場の流れに逆らう逆張りよりも、相場の流れに乗る順張りの方がリスクを抑えることができますが、売り買いのタイミングを誤ると、相場の流れが変わるので注意が必要です。
売り買いのタイミングを判断するには、テクニカル分析を活用します。
テクニカル分析は、100種類以上あるため、どのテクニカル分析を選択するかが重要です。
今回は、テクニカル分析の中でも世界中のトレーダーが使っていて、初心者でも使いやすい「移動平均線」と「MACD」について解説します。
移動平均線
移動平均線とは、ある一定期間における為替レートの平均値をグラフにし、相場の方向性を判断する指標です。
移動平均線が上向きの上昇相場では「買い」、下向きの下落相場で「売り」のポジションで取引に参加すれば、相場の流れに沿っているため安定した利益を得ることが期待できます。
短期の移動平均線が中期の移動平均線を上回るゴールデンクロスが生じた場合は「買い」、短期の移動平均線が中期の移動平均線を下回るデッドクロスが生じた場合は「売り」という取引のタイミングもあります。
テクニカル分析には難しい知識を必要とするものもありますが、移動平均線は視覚的にも分かりやすいため、初心者でも使いやすいと言えるでしょう。
MACD
MACDとは、2本の移動平均線同士の乖離グラフを表示し、そこにさらにシグナルという移動平均線を重ねて相場の売買を判断する指標です。
MACDに表示される棒グラフとシグナルの両方がマイナスからプラスに転じた時は「買い」、プラスからマイナスに転じた時は「売り」ポジションで取引に参加します。
さらに正確に売り買いのタイミングを把握したい場合は、MACDがシグナル線を上から下に交差した時は「買い」、下から上に交差した時は「売り」ポジションで取引に参加します。
MACDも移動平均線と同様、難しい知識を必要とせず、視覚的に売りと買いのタイミングを判断しやすいため、初心者でも使いやすいと言えるでしょう。
まとめ
FXの初心者が陥りやすいのは、含み益を抱えている状況で「まだ上がる」、含み損を抱えている状況で「いずれ上がる」と自分にとって都合よく考えてしまうことです。
結局は、含み益があっという間に少なくなってしまい結局は微益確定することになったり、含み損が拡大してしまいロスカットで強制決済されてしまったりします。
そうならないようにするには、利益をしっかりと確定させて、損切も行うということが重要です。
また、リスクの高い逆張りではなくリスクの低い順張りを活用するほか、テクニカル分析でしっかり売り買いのタイミングを読むことが、FXの初心者でも儲けることができるコツと言えるでしょう。