
株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
資産運用をこれから始めようとしている初心者の中には、メジャーな運用方法であるFXと株のどっちが勝ちやすいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
しかし、どっちが勝ちやすいかというのは、運用する人の運用方法や方針によって異なるため、双方の特徴を理解してから選ぶことが重要です。
そこで今回は、初心者が勝ちやすい方法を選ぶために、FXと株の特徴について解説します。
Contents
勝ちやすいかは運用する人によって異なる
資産運用の初心者がFXと株のどっちが勝ちやすいかと言っても、どちらが勝ちやすいとは言い切れません。
その理由は、運用する人によって取引環境が全く異なるためです。
例えば、日中働いているサラリーマンは日中に資産運用をする時間を確保することが困難です。
一方、仕事を退職した人は比較的自由に資産運用をする時間を確保できます。
他にも夜勤の人や平日休みの人もいます。
また、20代・30代の人は資産運用に回せる資金が比較的少ないですが、40代・50代の人は資産運用に回せる資金が多くなります。
このように人によって取引環境が全く異なるため、自分の取引環境に合った運用方法を選ぶことが勝つためには重要と言えるでしょう。
FXと株の特徴比較
FXと株はメジャーな運用方法ですが、FXは国が発行する通貨を取引対象であるのに対して、株は企業が発行して上場している株式を取引対象としているという違いがあります。
FXと株には違いがいくつかありますが、その中でも取引に大きく関係するのは以下の4つです。
- 取引時間
- 必要資金
- 取引対象の種類
- リスクの高さ
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
取引時間
1つ目の違いは取引時間です。
FXの取引市場は世界規模であるため、日本時間が終わっても常にどこかの国の市場で取引されています。
そのため、FXは平日であれば時間を気にせず24時間取引できるという特徴があります。
株もFXのように取引市場は世界規模ですが、日本の株式を取引するには東京証券取引所が開いている時間に限定されます。
東京証券取引所は、土日祝を除く9時~11時30分までの午前の部と12時30分~15時までの午後の部の2部制です。
株を長期間運用するのであれば、指値したまま放置しておくこともできるため、特に問題はありません。
しかし、デイトレードのように「積極的に売買を繰り返したい」という人には、時間的な制約があるのがデメリットと言えるでしょう。
必要資金
2つ目の違いは必要資金です。
FXの取引単位はFX業者によってそれぞれ異なっていますが、小さい業者であれば1通貨から取引できます。
例えば、1ドル110円の米ドルを購入すると110円が必要ですが、レバレッジという自己資金よりも多く取引できる仕組みを活用すれば、25分の1の資金で済むので5円あれば取引可能です。
一方、株は単元という最小取引単位があります。
単元は基本的に100株となっているため、1株100円の株式があったとすると「100円×100株=1万円」が取引に必要です。
しかし、東京証券取引所に上場されている1万円以内で取引できる株式はわずか40銘柄程度です。
ユニクロなどで知られるファーストリテイリングの株式を取引しようとすると、1株価格が5万円を超えているので500万円以上準備しなければなりません。
株は数十万円~数百万円必要になるのが一般的であるため、株よりFXの方が手軽に始めやすいでしょう。
取引対象の種類
3つ目の違いは取引対象の種類です。
FXは国が発行する通貨が取引対象ですが、全ての国で発行している通貨が取引対象となるわけではありません。
FX業者で取引されている通貨は50種類程度で、取引される主要通貨に絞ると10種類程度です。
一方、株は企業が発行して取引所に上場している株式が取引対象ですが、証券取引所に上場されている株式は約3,800種類です。
3,800種類から業績が良いといった理由で値上がりが期待される銘柄を選んで取引します。
10種類の中から1つを選ぶのと、3,800種類から1つを選ぶのでは労力が全く異なります。
取引を始めるまでの手間を考えると、株式よりFXの方が手軽に始めやすいでしょう。
リスクの高さ
4つ目の違いはリスクの高さです。
FXは証拠金取引と呼ばれる取引方法であるため、実際に取引した通貨が手元にやってくるということはありません。
その代わり、証拠金取引は買いポジションだけでなく売りポジションからも取引に参加できます。
そのため、上昇局面では買い、下降局面では売りと取引手法を変えられるのでリスクコントロールが可能です。
一方、株は実際に取引した株式は自分のものになります。
そのため、購入した物を売却するという買いポジションからの参加しかできません。
買いポジションからしか参加できないということは、上昇局面では利益を出せても下降局面では見ているだけしかできません。
信用取引という証拠金取引に似た取引方法を活用することで売りポジションからの取引も可能ですが、半年後に強制決済される、利息を支払うといったデメリットがあります。
それらを考えると、FXは何の制約もなく売りから取引できるのでリスクが低いと言えるでしょう。
初心者で取引時間と資金が限られている人はFX
FXと株の特徴を比較すると、FXの方が株よりも優れている点がありました。
特に、初心者で日中働いていて取引時間が限られているサラリーマンが資産運用を始める場合でも、FXは時間を気にせずに24時間取引できます。
また、20代や30代で資産運用に回せる資金が少ない初心者でも、レバレッジを活用すれば自己資金以上の取引が可能なFXの方が少ない資金を効率良く運用できます。
FXは1日の変動幅が大きくても2%ですが、4万円の自己資金があればレバレッジ25倍で100万円の取引が可能です。
株は4万円では取引できる銘柄が制限されるほか、価格が安い銘柄の中には業績が悪いことが理由で価格が下がっているものもあります。
そのため、初心者で取引時間と資金が限られている場合にはFXを選んだ方が勝ちやすいと言えるでしょう。
初心者でも取引時間と資金に余裕がある人は株
FXと株を比較すると、FXに優れている点が多くありましたが、株が劣っているというわけではありません。
初心者でも仕事を既にリタイアして時間に余裕がある人、平日休みの人であれば、時間が限られている株でも時間を気にせずに取引できます。
40代や50代で資産運用に回せる資金に余裕がある初心者は、初期投資が高い株も気にせず取引できます。
また、株主優待を提供している企業であれば、株式を保有することによって株主優待を受け取れます。
割引券やクーポン券、企業の商品などが貰えるため、それを目的とした投資も楽しむことが可能です。
FXは1日の変動が大きい場合でも2%程度ですが、株は変動が大きすぎるのでストップ高・ストップ安という仕組みが採用されています。
1年で10倍になる銘柄や、ガンホーのように100倍を達成する銘柄もあります。
そのため、初心者でも取引時間と資金に余裕がある場合には株を選んだ方が、FX以上の大きな利益が期待できると言えるでしょう。
まとめ
資産運用の初心者の中には、株とFXでどっちにするか悩んでいる人も多いと思いますが、人によって取引環境が異なるため、取引環境に合った運用方法を選ぶことが重要です。
FXと株の特徴を比較すると、FXの方が「24時間取引できる」「少額でも取引できる」など、取引環境に対する適応力が高く、勝ちやすい環境が整っています。
一方、株の適応力は低く、取引できる条件が限られますが、銘柄選定をしっかりしておけば資産を数十倍に増やせる可能性があります。
FXや株で確実に勝つには、まずは自分の取引環境がどのような状況なのかを把握してから取引方法を選びましょう。