株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
株式投資は会社が発行している株式を取引するのに対して、FXは国が発行している通貨を取引します。
しかし、国が発行している通貨と言っても、全ての通貨が取引できるわけではありません。
トルコリラは高いスワップポイントが魅力である通貨の1つですが、スワップポイントを狙った取引をする場合には何か注意点はあるのでしょうか?
そこで今回は、FXでトルコリラを取引するのは危険かどうか、トルコリラの特徴について解説します。
Contents
FXでトルコリラを取引するのは危険?
通貨は、米ドルやユーロ、日本円、ポンドのようなメジャー通貨とトルコリラや南アフリカランドのようなマイナー通貨に大きく分けられます。
そんなマイナー通貨の1つであるトルコリラはどのような特徴があるのでしょうか?
マイナー通貨で価格変動が不安定
メジャー通貨は流動性が高いため、為替変動が比較的安定しているという特徴があります。
チャートがきれいな通貨が多く、テクニカル分析通りの変動が発生しやすいのもメジャー通貨の特徴です。
一方、マイナー通貨は流動性が低く、為替変動が不安定という特徴があります。
チャートの形が乱れており、テクニカル分析通りの変動が生じにくいため、相場の見極めが難しくなります。
つまり、マイナー通貨に分類されているトルコリラも為替変動の予想が難しいと言えます。
また、マイナー通貨は情報量が少ないため、FX初心者がトルコリラの売買によって差益を得ることはなかなか容易ではないでしょう。
スワップポイントが高い
マイナー通貨の国々では、外貨を獲得するため、インフレに対応するためといった理由から政策金利を高く設定しているケースが多く見られます。
そのため、通貨間の金利差によって得られるスワップポイントが高いのがマイナー通貨の特徴です。
トルコリラもスワップポイントが高く、ただポジションを保有しているだけでもある程度まとまったスワップポイントを毎日受け取ることが可能です。
2020年2月時点において1トルコリラが18円、1万通貨保有した際に受け取れるスワップポイントが40円程度となっています。
レバレッジ25倍で取引した際の必要証拠金は7,200円、1年を365日で考えるとスワップポイントは1万4,600円です。
年利203%なので、かなり魅力的な通貨と言えるでしょう。
FXでトルコリラを取引する際のポイント
レバレッジ25倍でトルコリラを保有すれば資産が2倍に増えるため、スワップポイントを目的としたトルコリラの取引をしたいと考えている人も多いと思います。
しかし、FXでトルコリラを取引する際は以下の4つの点に注意が必要です。
- スプレッドの狭いFX会社を選ぶ
- スワップポイントの高いFX会社を選ぶ
- できる限り低いレバレッジで取引する
- 分散投資を心掛ける
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
スプレッドの狭いFX会社を選ぶ
メジャー通貨は、流動性が高く、多くのトレーダーが取引することから、スプレッドを狭く設定しているFX会社が多くあります。
しかし、メジャー通貨と比べるとマイナー通貨はスプレッドを広く設定しているFX会社が多いという違いがあります。
スワップポイントを狙って長期間通貨を保有する場合、そこまで大きな影響はありません。
しかし、差益を目的としたスキャルピングやデイトレードを行う場合、スプレッドの影響が大きくなるので注意が必要です。
トルコリラの差益を狙ったこのような取引を予定している場合は、少しでもスプレッドの狭いFX会社を選ぶことが重要と言えるでしょう。
スワップポイントの高いFX会社を選ぶ
差益を目的としたスキャルピングやデイトレードの場合、ポジションを持ち越さないため、スワップポイントを気にしなくても問題ありません。
しかし、スワップポイントを目的としたトレードの場合は、全てのFX会社が同じスワップポイントを設定しているわけではないので注意が必要です。
例えば、トルコリラのスワップポイントが1万通貨20円のFX会社と40円のFX会社では、1日のスワップポイントの差は20円ですが、365日で考えると7,300円の差が生じます。
10万通貨の場合は7万3,000円といったように、ロットが大きくなればなるほどその差が大きくなります。
そのため、スワップポイントを目的としたトレードの場合には、少しでもスワップポイントの高いFX会社を選ぶことが重要と言えるでしょう。
できる限り低いレバレッジで取引する
トルコリラのスワップポイントを少しでも多く得たいと考える人の中には、レバレッジを高く設定したいと考えている人も多いと思います。
18円のトルコリラを1万通貨保有する際の必要証拠金はレバレッジ25倍で7,200円です。
しかし、レバレッジを高く設定すれば、その分だけロスカットのリスクが高くなります。
トルコリラはマイナー通貨で為替変動が不安定であるため、経済指標の発表や世界情勢の影響を受けて乱高下する可能性が高いと言えます。
ロスカットが発動すれば、いくら高いスワップポイントを得られると言っても、負けた分をスワップポイントだけで取り返すことは容易ではありません。
無駄なロスカットで証拠金を減らさないためにも、スワップポイントを狙ったトレードを行う場合には、できる限り低いレバレッジで取引した方が良いと言えるでしょう。
分散投資を心掛ける
トルコリラに資金を集中させていると、経済指標の発表や世界情勢の影響を1点に受ける可能性があります。
また、直接トルコリラに関係なくても、他のマイナー通貨の影響を受ける可能性もあります。
そのような為替変動のリスクを少しでも抑える上で重要になってくるのが分散投資です。
分散投資とは、1つの通貨ペアではなく複数の通貨ペアに分散して取引を行うリスク対策の1つです。
トルコリラに加えて米ドルを保有していれば、マイナー通貨に対する不安が広がった場合、メジャー通貨が買われる可能性が高いのでリスクを分散することが可能です。
トルコリラは高いスワップポイントが魅力ですが、他の通貨よりハイリスクであることを忘れないように注意しましょう。
2020年はトルコリラが上がる可能性が高い?
トルコリラでスワップポイントを狙う際には、買いポジションを保有する必要があります。
しかし、トルコリラのチャートは右下がりになっており、買いポジションを保有することに不安を抱いている人も多いのではないでしょうか?
確かに、トルコリラは政治の不安定さなどを背景に、チャートが右下がりになっています。
しかし、2020年も右下がりが続くのかと聞かれると続かない可能性が高いと言えます。
その理由は、米ドルが利下げに踏み切ったことです。
米ドルはメジャー通貨の1つですが、これまで利上げが続いており、高いスワップポイントが得られたことから資金が流入していました。
しかし、大統領が利下げの圧力をかけていて、ついに利下げが行われたため、高いスワップポイントの魅力が失われています。
さらに利下げが続けば、トルコリラや南アフリカランドといった高いスワップポイントの通貨に資金が流入する可能性が高いため、2020年はトルコリラが回復する可能性も高いと言えるでしょう。
まとめ
FXでは、為替変動に合わせて売買することで得られる差益だけでなく、通貨間の金利差のスワップポイントを狙う取引の大きく2つがあります。
トルコリラはスワップポイントが高く設定されており、スワップポイントが目的の取引を行う人たちに人気の通貨です。
しかし、トルコリラはマイナー通貨で為替変動が不安定なので、リスク管理を徹底しながら取引することが重要です。
この記事に記載されているポイントをしっかりと押さえながらトルコリラの取引を行いましょう。