株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXの自動売買・システムトレードについて調べると、リスクリターン率と書かれていて、リスクリターンとはどんなものかが気になった人もいると思います。
リスクリターンとは何なのか、ここに書かれている数字は一体何を表しているのでしょうか?
そこで今回は、リスクリターン率とは何か、リスクリターン率の目安について解説します。
Contents
リスクリターンとは
株式投資は、平日9時~15時までと取引時間が限られているため、日中働いていて自由に取引できないサラリーマンにとって積極的に取引しづらい環境と言えます。
FXは、平日と祝日は24時間取引できるため、取引しやすい環境が整っていることから取引参加者が多い資産運用の手段となっています。
しかし、仕事中は取引できないので大きなチャンスを逃している可能性があるほか、知識や経験が少ない初心者がFXで安定した利益を得ることは困難です。
そこで登場するのが自動売買・システムトレードです。
自動売買・システムトレードは自分で取引するのではなく機械的に取引を繰り返しますが、自動売買・システムトレードには数多くの種類があります。
その中から自分に合ったものを選ぶ指標となるのがリスクリターンです。
そもそも自動売買・システムトレードとはどのようなものなのか、リスクリターンとはどう計算するのか詳しく見ていきましょう。
自動売買・システムトレードとは
自動売買・システムトレードとは、決められたルールに基づいて取引を繰り返す運用手法を意味しています。
自動売買・システムトレードは、大きくプログラム売買とループインダンの2つに分類されます。
プログラム売買とは、あらかじめ組み込まれているプログラムが独自に判断して、自動的に売買を繰り返す方法です。
ストラテジーとも呼ばれており、FX会社が採用しているものや一般に販売されているものなど数多くの種類があります。
ループインダンとは、「買い」「売り」「値幅」などの取引に必要な条件を事前に決めておき、そのルールに基づいて自動売買を繰り返す方法です。
プログラム売買は全てプログラムに任せている状態ですが、ループインダンは自分で「買い」「売り」のどちらから取引するか決める必要があります。
機械的に継続して取引を繰り返すため、忙しい人でも効率良く利益を出せる、心理的影響を受けないので損切りも効率良くできるというメリットがあります。
しかし、急な相場変化やトレンド相場に弱いというデメリットがあります。
任せきりにしていると、予想外の損失が生じる可能性もあるので注意しましょう。
リスクリターン率の計算方法
リスクリターンとは、リスクリターン率とも呼ばれており、自動売買・システムトレードが優れているのかを判断する指標の1つです。
リスクリターン率は、「通算損益÷最大ドローダウン」で算出します。最大ドローダウンとは、一時的に最大資産から落ち込んだ下落率や損失額です。
リスクリターン率を算出してリスクリターン率の数値が大きい場合には、少ないリスクで大きな利益が手に入る可能性が高いと言えます。
一方で、リスクリターン率の数値が小さい場合には、手に入る利益に対して損失の方が大きくなるため、大きなリスクを背負うことになります。
そのため、自動売買・システムトレードを選ぶ際には、なるべくリスクリターン率の数値が大きいものを選ぶ方が良いと言えるでしょう。
リスクリターン率の目安とは
リスクリターンとは、自動売買・システムトレードを選ぶ際の指標になるものということが分かりました。
自動売買・システムトレードを始める際には、なるべくリスクリターン率の数値が大きいものを選ぶ方が良いといいましたが、何か目安はあるのでしょうか?
リスクリターン率を判断する目安となるのが以下の2つです。
- 1.0未満は論外
- 最低でも2.0以上を選ぶ
それぞれの目安について詳しく見ていきましょう。
1.0未満は論外
リスクリターン率の1つの目安として1.0未満は論外と言えます。
1.0未満ということは、どのようなことを意味しているのでしょうか?
例えば、リスクリターン率0.5の自動売買・システムトレードを選んだ場合は、FXによる利益目標を1,000pipsに設定したとすると、利益目標の倍の2,000pipsの損失が生じる可能性があることを意味しています。
倍の損失が仮に生じた場合は、利益目標を達成しても取り返せないだけでなく、利益目標を達成するために大きなリスクを背負うことになります。
リスクリターン率が1.0未満では優れている自動売買・システムトレードとは言えません。
そのため、そのような自動売買・システムトレードを選ばないようにしましょう。
最低でも2.0以上を選ぶ
リスクリターン率の2つ目の目安として最低でも2.0以上を選ぶことが重要と言えます。
例えば、リスクリターン率2.0の自動売買・システムトレードを選んだ場合は、FXによる利益目標を1,000pipsに設定したとすると、利益目標の半分である500pipsの損失が生じる可能性があることを意味しています。
リスクリターン率2.0であれば、損失が仮に生じた場合でも利益目標を1度達成できればすぐ取り返すことが可能です。
また、取り返す場合のリスクもリスクリターン率0.5の時と比較すると大幅に低いと言えます。
リスクリターン率2.0以上の自動売買・システムトレードを選んでおけば、高い勝率を維持できるだけでなく、損失が生じた時にもカバーしやすいため、運用リスクを低く抑えられるでしょう。
リスクリターン率が高ければいいというものではない
自動売買・システムトレードが優れているかどうか判断できるリスクリターン率ですが、数値だけで判断するのではなく取引回数もしっかりと確認しなければなりません。
例えば、たまたま数回取引をしたところ、相場にピッタリ当てはまって大きな利益を出せた自動売買・システムトレードがあるとします。
そのような自動売買・システムトレードでもリスクリターン率を算出すると、数値が高く優れている自動売買・システムトレードと判断されてしまいます。
また、含み損を多く抱えているものの、損切りの設定が緩く一度も損失を確定させていない自動売買・システムトレードは、不敗神話を継続しているように見えますが、実際の中身は大きく異なります。
リスクリターン率は、優れている自動売買・システムトレードを判断するための1つの指標ですが、それだけに頼ってしまうのではなく、取引回数や安定した結果を出しているかなど、総合的に判断しましょう。
まとめ
リスクリターンとは、リスクリターン率とも呼ばれており、自動売買・システムトレードが優れているかどうかを判断する指標の1つです。
リスクリターン率が高いほど、優れている自動売買・システムトレードと判断できますが、取引回数が少ないものは過剰な数値が出てしまうので注意が必要です。
リスクリターン率で自動売買・システムトレードを判断する際には、取引回数やこれまでの実績なども考慮しながら選びましょう。