
株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXでは、為替が将来的に上がるのか下がるのか予想します。
選択肢は2つしかないため、勝率は2分の1の50%ありますが、常に反対の50%を選んでしまっていてはいくら勝率が50%でも安定して勝ち続けることはできません。
FXで継続的に安定して勝ち続ける聖杯はあるのでしょうか?
そこで今回は、FXで継続的に安定して勝ち続けるための聖杯について解説します。
Contents
FXの聖杯とは
FXについて色々調べていて「聖杯」という言葉を見かけたことがある人もいると思います。
聖杯とは、絶対的な法則のことで、FXの取引で全戦全勝できるような取引方法を意味しています。
FXとは、次にどのような為替変動が生じるのかを予想して取引することで差益を得る資産運用の方法です。
シンプルに考えると、為替変動は上がるか下がるのかの2つから選ぶので勝率は50%です。
37~38個の数字から止まる数字を予想するルーレットの勝率は3%であることを考えると、十分に勝率が高いと言えます。
しかし、いくら50%の勝率と言っても、常に反対の50%を選んでしまうこともあります。
FXで継続的に安定して利益を得られる聖杯のような手法はないのでしょうか?
相場の流れの中に聖杯がないか、また分析手法の中に聖杯がないかを探してみましょう。
相場の流れによるFXの聖杯
為替変動は、1日に1回決まるものではありません。
土曜日と日曜日を除いて24時間為替変動が生じています。
24時間為替変動が生じている中で、自分の取引しやすい環境で取引できれば、継続的に安定した利益が期待できます。
短期的な為替変動を見てみると、細かく上下を繰り返していますが、中期的・長期的な為替変動を見てみると、法則性があります。
為替変動の法則性は主に以下の2つです。
- トレンド相場
- レンジ相場
それぞれの相場の特徴について詳しく見ていきましょう。
トレンド相場
トレンド相場とは、中期的・長期的な為替変動を見てみると、どちらか一方に変動が偏っている状況です。
右肩上がりに為替変動が続いている状況を上昇トレンド、右肩下がりに為替変動が続いている状況を下降トレンドと呼びます。
上昇トレンドが生じている時は、為替変動が上がると予想して、買いでエントリーしている人が多いという状況です。
さらに買いでエントリーする人の増加や売りでエントリーしていた人の損切りによる買いなどで、しばらくは上昇トレンドが続くと予想されます。
そのため、上昇トレンドが生じている時は、トレンドに合わせて取引すると安定した利益が期待できます。
また、下降トレンドが生じている時も同様です。
トレンド相場になっている時だけ取引するという方法は、シンプルで分かりやすいことからFX初心者でもエントリーしやすい聖杯と言えます。
しかし、トレンド相場は相場全体の3割しか出現しないというデメリットがあることに注意しましょう。
レンジ相場
レンジ相場とは、中期的・長期的な為替変動を見てみると、一定ラインまで下落してから反発して、一定ラインまで上昇してから再度下落するという状況です。
上下のラインの間で為替変動が生じるため、ボックス相場とも呼ばれています。
レンジ相場とは、買いのエントリーと売りのエントリーが均衡している状況です。
例えば、下のライン(サポートライン)では、買い圧力が働いて為替が上昇する一方で、上のライン(レジスタンスライン)では、売り圧力が働いて為替が下落します。
そのため、サポートラインで買いエントリー、レジスタンスラインで売りエントリーすれば安定した利益が期待できますが、そんなに簡単ではありません。
サポートラインやレジスタンスラインに到達する前に反転もしくは到達しても突き抜ける可能性があります。
レンジ相場は相場全体の7割を占めますが、エントリーのタイミングが難しいため、トレンド相場でのエントリーが聖杯に近いと言えるでしょう。
分析手法によるFXの聖杯
為替変動には、トレンド相場とレンジ相場の2種類あると言いましたが、これだけでは為替変動を予想するには情報が不足しています。
為替変動を予想する方法として以下の2つがあります。
- ファンダメンタルズ分析
- テクニカル分析
それぞれの分析手法について詳しく見ていきましょう。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは、通貨を発行している国の経済情勢や世界情勢などから次の為替変動を予想する方法です。
例えば、通貨を発行している国の雇用統計やGDPが良かった時には、国の経済情勢が良いと判断されることからその国の通貨が買われます。
そのため、経済指標など為替変動に影響を与える要因をチェックしておけばある程度の為替変動を予想することが可能です。
しかし、事前に予想が公表されており、余程のサプライズがない限りは短期的な為替変動にあまり大きな影響を与えません。
相場の中期的・長期的な為替変動を予想する際は、ファンダメンタルズ分析は重要ですが、スキャルピングやデイトレードを行う人にとって、あまり役に立たないと言えるでしょう。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去の変動に似た為替変動が生じやすいというFXの特徴を駆使して次の為替変動を予想する方法です。
テクニカル分析は、短期的な為替変動の予想に適しており、スキャルピングやデイトレードなどにとっては聖杯とも言えます。
しかし、テクニカル分析と一口に言っても、ローソク足・単純移動平均線・ボリンジャーバンド・RSI・MACDなど、全部で100種類以上あります。
単純移動平均線・MACDは、為替変動の上下がハッキリしている時に使いやすい一方、RSI・ボリンジャーバンドは、為替変動が横ばいになっている時に使いやすいことが特徴として挙げられます。
1つのテクニカル分析を選べば全ての相場に対応できるというわけではありません。
様々な分析手法を組み合わせる必要があるため、自分にとってどの組み合わせが聖杯になるのかしっかり考えてからFXの取引を始めることが重要と言えるでしょう。
損小利大を心がけることが重要
ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を駆使しながら取引をしても、安定した利益を必ず得られるとは限りません。
そのため、FXに継続的に安定した利益を確実に得られるという聖杯はないと言えます。
しかし、聖杯はないと言っても、極限まで勝率を高めることは可能です。
例えば、損小利大を心がけた取引をすることです。
損小利大とは、FXや株式投資など資産運用における格言の1つで、損失を小さく抑えて大きな利益を狙うという取引の基本です。
勝率80%という高い勝率を誇っているトレーダーがいても、1回の取引の利益が1万円、損失が5万円の場合は、10回取引すると8万円の利益に対して10万円の損失が生じます。
一方、勝率30%と低い勝率のトレーダーでも、1回の取引の利益が2万円、損失が1万円の場合は、10回取引すると14万円の利益に対して7万円の損失が生じます。
このように損小利大を心がけて取引することで、勝率が低いトレーダーも安定した利益を得ることが可能です。
FXに聖杯はないと言いましたが、損小利大を心がけた取引がまさに聖杯と言えるでしょう。
まとめ
FXでは、為替が上がるか下がるかを予想して当てるだけなので、勝率は50%もあります。
しかし、いくら勝率が50%あると言っても、反対の50%を引き当て続けると大きな損失を抱えることになるので注意が必要です。
そうならないためにも、FXの取引で利益を確実に得られる絶対的な法則である聖杯を探し求めている人も多いと思いますが、どの方法にも何らかの欠点はあります。
そのため、FXの取引で損をしないためにも損小利大を心がけながら取引することが重要と言えるでしょう。